全粒粉食パンを模した体重計がメジャー2本に締め付けられているイメージ

科学的根拠に基づいた効果的な糖質制限法を知りましょう!

糖質制限ダイエット成功のカギを握る「糖新生」とは?

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糖質制限ダイエットは非常に効果の高い減量法です。正しく行えば問題が起こるとは考えにくく、2ヵ月間で体重の10%程度(体重60kgの方の場合、最大で6kg)の減量も可能です。

これほどの減量効果をもたらす糖質制限はエネルギー代謝の仕組みを上手く利用しているのですが、その仕組みの中でも特に注目したいのが糖新生と呼ばれるグルコースを生成する経路です。

全身で利用され、特に脳や赤血球などには欠かせないエネルギー源であるグルコース(ブドウ糖)を作り出すには、下記のいずれかの経路が挙げられます。

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  1. 食事で糖質を摂取する
  2. 糖質以外の物質を用いて、主に肝臓で作り出す

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上記の2番目が糖新生に当たります。

この糖新生がどのように行われているのかについて把握すれば、より糖質制限への造詣が深まります。同時に減量効果を最大化させることにも繋がるので、ロカボが気になっているダイエッターの方にはぜひとも知っておいていただきたい知識です。

それでは糖新生について見ていきましょう。

糖新生とは

糖新生とは、血中のブドウ糖濃度(血糖値)が下がったときに主に肝臓で行われるグルコース(ブドウ糖)を新たに生み出すエネルギー代謝システムです。

糖質以外(タンパク質・脂質)の物質を分解してグルコース(ブドウ糖)を合成し、血糖値の維持や、グルコースのみをエネルギー源とする脳や赤血球などの組織にグルコースを供給する役割を担っています。

糖新生は糖質制限ダイエットの要

糖新生は中性脂肪が分解された際に生じるグリセロールをグルコースに新たに合成するかたちで体内にエネルギー供給を行います。

この仕組みが減量に効くポイントは、糖新生のエネルギー産生経路には食事による糖質摂取を必要としていないところにあります。これが糖質の摂取量を抑えてもエネルギー不足にならず、同時に減量効果を発揮する所以です。

糖質の摂取は必要?

上記のような糖新生の仕組みを極端に拡大解釈するなら、炭水化物を食べなくても人間はエネルギーを脂肪やタンパク質から賄えるという考えが浮かんできます。しかし糖質を完全に絶つのは控えた方が良さそうです。

糖質の摂取量が1日50g未満になるとケトン体という物質が一層増えるようになります。ケトン体自体は中性脂肪からエネルギーを産生する際に生じるもので有害ではないのですが、一定以上に増えた場合の安全性が科学的に確認し切れていないのが現状です。そのため摂取量に下限を設けるべきというのが、ロカボを推奨する医学界の方々の唱えているところのようです。

何事も過剰に行うことには弊害がつきものですから、その意味でも多少バランスを考えた栄養素の摂取を心掛けるべきでしょう。

一般社団法人食・楽・健康協会の理事で日本の糖質制限におけるパイオニアの一人でもある山田悟医師は、1食20~40g×3食+間食10g=1日70g~130gの糖質摂取を推奨しているので、その下限70gを参考にすると良いかもしれません。

なお、糖新生を妨げない糖質摂取量は1日あたり約130g以下と言われています。

糖新生のエネルギー産生量には個人差がある

糖新生によってどれくらいのエネルギーが作られるかは個人差があります。それだけに個別にどれくらいの糖質摂取が適切であるかは定かではないため、前述の糖質摂取量の下限値70gは尚更意味を帯びてきます。

自分自身の糖新生のパフォーマンスを見極めるためにも、まずは下限70g~100g程度の摂取量から様子を見てみるのが安心だと思います。

糖新生は多量のカロリーを消費する

糖新生によってグルコースを作り出すプロセスには多量のエネルギー消費が伴います。要するにカラダはエネルギー(グルコース)を得るためにエネルギー(ATP:アデノシン三リン酸)を多量に消費するのですが、このプロセスによって多くのカロリー消費が見込めるわけです。

糖質摂取からエネルギーを産生する経路(糖質代謝)ではなく、脂質からエネルギーを産生する経路(ケトン体代謝)をメインのエネルギー産生経路に変更しようというのが糖質制限の狙いでもあるわけですが、ケトン体代謝が通常のものとなれば、糖新生によるエネルギー合成も盛んに行われるようになるため多くのカロリー消費が期待できます。

この点も糖質制限が減量効果に優れていると言われる所以です。

アルコールの飲み過ぎは糖新生の妨げに

アルコール類を飲み過ぎると肝臓がアルコール分解に専念するようになってしまうため、同じく肝臓で作用する糖新生は後回しにされてしまいます。

減量効果を最大化させるのであれば、アルコール類の摂取は控えた方が良いでしょう。

糖新生に関するQ&A

下記では糖新生に関してよく耳にする疑問とその回答をまとめました。

糖質制限を行う際に気になるトピックが多くあるので、ザッと目を通してもらえればある程度の不安は払拭できると思います。

筋肉が減ってしまうのでは?

そもそも糖新生でグルコースを作り出す際に必要となる物質は下記の通りです。

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  1. 筋肉から分解されたアミノ酸
  2. 中性脂肪から分解されたグリセロール
  3. 解糖系で生じた乳酸

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1番目を見ると明らかですが、糖新生は筋肉を分解してしまいます。この点にフォーカスするなら、確かに筋肉は分解され減少してしまうと言えます。

しかし、この問題は一日に摂るべき摂取カロリーをタンパク質と脂質で補えば防げます。特に十分なタンパク質量を摂取することで筋肉の分解は最大限抑えられます。

具体的な摂取量としては「体重(kg)×1~1.5g」を目安にすると良いでしょう。

加えて筋トレを定期的に行うとより筋肉の減少に歯止めをかけられるため、できれば定期的なトレーニングを取り入れましょう。

肝臓に負担が掛かってしまう?

糖新生は主に肝臓で行われるため、肝臓への負担は少なからず掛かることになります。しかし糖新生は一日を通して必要な際に随時行われるものなのでそれ自体に問題はありません。

問題となるのは糖質と同時に脂質の摂取も抑えたときです。そうなると中性脂肪の分解からエネルギー産生を行う過程で生じるケトン体の生成量が少なくなってしまい、それが糖新生を更に促して肝臓への負担を増加させてしまうためです。

糖質制限を行う上での絶対条件ですが、糖質を抑えた分だけタンパク質と脂質を摂るよう意識しましょう。特に肝臓への負担を軽減させるためには脂質を豊富に摂取することが肝要です。

具体的な摂取量については一日の摂取カロリーから炭水化物とタンパク質摂取量を差し引いた量を上限とすれば良いでしょう。摂り過ぎもまた良くないので、適切な摂取量を心掛けましょう。

※糖質制限中の適切な糖質・タンパク質・脂質量に関しては、下記の記事を参照してみましょう。

[kanren postid="3268"]

カラダが気だるくなってしまうのでは?

結論から言って、糖質の摂取量を抑えるによってカラダが倦怠感に襲われることは考えにくいと思います。

人間が生命を維持するために必要となるエネルギー源は次の2つです。

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  1. グルコース(ブドウ糖):グリコーゲンエネルギー
  2. 中性脂肪(脂肪酸):ケトン体エネルギー

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現代人は炭水化物中心の食生活を送っているので前者の糖質代謝によるグリコーゲンエネルギーで日常的に使用するエネルギーを賄っています。ケトン体エネルギーは予備エネルギーとして中性脂肪の形で蓄えられています(この蓄え過ぎが「太る」ということです)。

糖質制限はカラダの主要エンジンを「糖質代謝」から「ケトン体代謝」に切り替えるべく、カラダの体質改善を行います。もしカラダに倦怠感が生じるとすれば、このカラダがケトン体をスムーズに利用できるように体質改善を行う過程かもしれません。

その可能性は否定しきれませんが、エネルギー供給の面では糖新生によって賄われるため問題は生じません。むしろケトン代謝への体質改善が済めば中性脂肪の分解がスムーズに行われるようになるので、高い減量効果が得られます。むしろその効果で今まで以上に快活に行動できるようになるかもしれません。

低血糖になるのではないか?

糖質制限によって低血糖状態に陥る恐れは、基本的に無いと考えられます。

糖質摂取量の抑制は高血糖を改善するだけで、血糖値を正常値以下に下げる作用はありません。仮に糖質の摂取量を抑えたことで血糖値が下がってしまっても、糖新生によってブドウ糖を作り出し正常な血糖値を維持しようするので、低血糖に陥る心配は皆無です。

また血糖値を上げるホルモンが多数体内に存在しているのも、糖質制限が低血糖を引き起こすとは考えにくい要因の一つです。エピネフリン、グルカゴン、副腎皮質ステロイドなどのホルモンなどが血糖値を上げる役割を担っており、血糖値が下がるとこれらのホルモンが分泌されて血糖値を正常なものに維持しようと作用します。

脳の機能が鈍るのではないか?

糖質の摂取量を抑えることによって脳の機能が低下する可能性も基本的に無いと思います。

糖新生は糖質代謝によるグルコース(ブドウ糖)の生成に代わって中性脂肪からグルコースを作り出しますから、脳へのエネルギー供給が滞ることはありません。よって脳の機能低下が生じる可能性は考えにくいです。

[box class="glay_box" title="Kico’s Tips:ケトン体も脳のエネルギー源になる"]

余談ですが、脳のエネルギー源はグルコース(ブドウ糖)だけではなく、ケトン体もエネルギーとして活用できることが近年の研究で明らかになりました。つまり糖質制限によって体内のブドウ糖が枯渇しても、中性脂肪をエネルギー変換する過程で生じるケトン体を脳へのエネルギーとして充てられるのでエネルギー不足を引き起こさずに済むのです。

このケトン体代謝のシステムによるエネルギー供給を併せて考えると、糖質制限が脳にエネルギー不足に陥らせるとは尚更考えにくいと言えるのではないでしょうか。

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糖質制限がケトアシドーシス発症の引き金になる?

糖尿病に因るケトアシドーシスとは、かい摘まんで言えば次のようなものを指します。

糖尿病の高血糖性の急性代謝失調であり、極度にインスリンが不足したり、コルチゾル・アドレナリンなどのインスリン拮抗ホルモンが増えると、インスリンの作用が弱まって急に発症します。

出典:急性合併症|糖尿病がよくわかるDM TOWN

結論としては「糖質制限によるケトン体上昇」と「糖尿病によるケトン体上昇」は根本的に異なり、前者が糖尿病ケトアシドーシスを引き起こすことはありません。

糖尿病によるケトン体上昇は、インスリンの作用が欠乏するという代謝異常によって生じます。

一方で糖質制限によるケトン体上昇は、脂肪酸をエネルギー変換する際に作られるケトン体の代謝が活性化することに因ります。これは空腹時などの日常生活の中でも生じている生理的なケトン体上昇と同質の現象です。

これらの違いはインスリン作用の有無にあり、インスリン作用に異常をきたさない糖質制限によるケトン体上昇はケトアシドーシスと称される病とは全く異質で、あくまで生理現象の一環と言えます。

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